若年セラピストの卒後教育方法については、どこの施設でも悩みの種になっています。
当院でも先輩療法士がプリセプターとなりマンツーマンで新人教育を行っています。
ただし院内教育は、施設特有の技術伝達に特化し、身に付ける技術の偏りが生じる恐れもあります。
そこで当院リハビリテーション科は初の試みとして、他施設の特化した臨床技術と当院が有している技術を交換し、お互いの経験値を高めるプロジェクトを実は一年前から始めていました。
今回は静岡市にある、静清リハビリテーション病院と共同プロジェクトを立ち上げ、お互いの施設に、講師派遣を行い業務終了後に講義、実技を中心とした約2時間勉強会を隔月で行っていました。
当院からは作業療法士 シーティングエンジニアの串田英之がシーティング技術伝承を、そして静清リハビリテーション病院からは、ボバースアプローチを基本とした環境適応について作業療法士の串田雄一郎先生(*名字は一緒ですが親類関係ではありません)が技術伝承を行っていました。
当初、先方施設ではシーティングという言葉さえ認知されていない状況でしたが、5回に分けて総論、評価、対応技術、道具特性、応用技術という内容で行った結果、最終回ではグループディスカッションが行えるまでに若年セラピストは成長しました。
当院も同じく中枢神経障がい者が日常生活場面の知覚方法を雄一郎先生から学んだことで、日々の診療技術が向上し自信を持って仕事に取り組めるようになりました。
本プロジェクトは期間限定で行っているため、お互いの技術を完璧にマスターするとまではいきませんが、お互いを知ることで若年セラピストが自ら勉強していく枠を広げるきっかけになったと思われます。
初の試みでしたが、盛況に終えられたことで若年セラピスト教育方法として、今後も他施設の専門技術を有した臨床家を招くことも企画しています。
平成27年11月6日
リハビリテーション科:串田英之